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2021-12-09 16:00:00
染織作家 樋口佳苗さんの織物
2021.12.09 Thursday
上質なウールやカシミアを用いてあたたかで包み込むようなストールやマフラー、手袋などを作られている樋口佳苗さん。
新潟県出身で女子美術大学を卒業後、東京の織物工場で働きながら自宅のお部屋にある織り機で手織りをされています。
金沢市で制作されていたこともあり、その頃からのご縁です。
樋口さんのストールを巻いた方は、みなさん「あっ」と言って心地よさを感じてくれます。
巻いた時の軽さや包まれる感覚は、人が持っている優しさにとても似ています。
人の手が作るぬくもり、愛情、優しさが伝わる織物です。
技術とセンスもすばらしく、随所に遊び心も感じられます。
織物工場では機械織り、ご自宅では手織りと、同じ織りの仕事で集中力が続くのが樋口さんのすごい所。
ご自身の制作では手織りの持つ魅力や表現の広がりを大切にされています。
両方の工程を知っているからこそ生まれてくる手織りの織物。
丁寧に織り分けられ、布の透け感やでこぼことしたテクスチャーも特徴のひとつです。
タテの糸とヨコの糸から織られる織物。
デザインを考え、糸を選び時には染色し、丁寧に下準備に時間をかけます。
そして、調和やバランスをみながら織りすすめていく。
樋口さんの経験という多くの引出しが作品に生かされています。
良いことがあった日もそうでなかった日も樋口さんの織物は、ふわっと包み込んであたためてくれます。
いつもそばで寄り添ってくれるそんな存在です。
好日用品店 廣島友紀